0022-08-13

インディペンデントとインディーアーティストの違い

先日、アップルストア銀座店で行われたワークショップで、虎岩正樹氏は沢山の新しい音楽家のあり方を紹介されていました。

その中から一つ「インディペンデントアーティスト」という新しいタイプの音楽家についてご紹介したいと思います。

この新しいタイプのアーティストは日本では存在自体が隠されてしまっている人たちなのです。海外ではインディーだろうと、その辺のストリートミュージシャンだろうと良い音楽は認識するという風潮が日本よりも全然強く、メジャーもそれに対応していかなければならなくなっています。

日本では、まだまだ力のあるメジャーが牛耳る形になっており、大変なお金をかけているメジャーアーティストのCDが売れてほしいから、こういうアーティストの存在は常に隠されてしまうのです。

「インディーアーティスト」というと一般的にはメジャーに属さないけれども音楽をやっている人達になると思います。

インディーレーベルにもメジャーの傘下にあるインディーもあれば、本当にインディーなのもあります。

でも、やっている事はメジャーと変わらないんですよ。だから皆さん規模の大きさから絶対にメジャーデビュー!と思ってしまうんですね。

一番大きな違いは営業力(全国の有名店舗にCDを置いてもらったり)で、インディーの中だけでもどの位力があるのかはピンキリです。

レコード会社(レーベル)やマネージャーがいて、その会社とアーティストが協力してCDを売ったり、ライブをしたり。

それに対してレコード会社が収入を得て、少しアーティストに還元する・・といった具合です。

音楽業界が潤っている時はこれでもよかったのですが、最近は、、CDが売れない!との嘆きが一般化する位の時代ですよね。

「インディペンデントアーティスト」とはいったい誰でしょう?

簡単に言うとレーベルに所属しないアーティストの方々です。そして、いち早く時代の変化に気づいて新しい音楽配信の方法を身につけて生活をされている方々でもあります。

もちろんマネージャーやブッキング担当がいた方が音楽に集中できるし事は進み易いと思いますが、別にどこかのレーベルに所属する必要はない時代になったのです。誰でも家にインターネット環境さえあればとりあえずデビューはできます。

(近所ののら猫の声を録音してiTunesにのっければ!デビューです。売れないけどね)

あるミュージシャンは、毎日一曲iTunesにのせて一年間に作った370曲ほどを一つのアルバムとして売ってみたりと今までレーベル、CDといった枠組みをなくした革新的な方法で音楽をしています。そうです。Apple の iPhone 4のアンテナソングを発表し、Steven Jobsの記者会見スピーチで取り上げられた方です。

Song a day # 561 (一日一曲561番) http://www.youtube.com/watch?v=VKIcaejkpD4

(bandcamp http://jonathanmann.bandcamp.com/track/the-iphone-4-antenna-song

インターネットストリートミュージシャンというか。

そういう事ができる時代なんですね。

AppleのGarageBand、Logic Proといったものを使えばループ等で誰にでも作曲して曲を売る事ができる。

世界中でワンクリックで買える曲をだれでも作れる。これってすごい事だと思いませんか?

発表会の演奏だって(クラシックなら)売れます。

インターネットのおかげでストリートでお金をもらうという行為を場所を選ばず出来る様になってきたおかげでこういう事ができる様になりました。




では、なぜ今気づき始めたアーティスト達が、インディペンデントアーティストとして世にでてくる様になってきたのでしょうか?

そうなんです。従来型では「売れそうなアーティスト」しかデビューできないのです。

理由は、当然、、お金がかかるから・・・・それを回収できないのにデビューさせられない。

「インストなんてバックグラウンドでいいや~」と思うかもしれませんが、中には何度も聞きたいものもありますよね。

クラシックの演奏なんて僕は何度も聞いてしまいますが・・あれもほんの一部の人間しか売られていませんね。

かわいい女の子がバイオリンを弾いている・・なら売れる可能性は高いですが、どうでもいい顔のおっさんが弾いててもなかなか・・

もし後者の方が全然良い演奏をしてても、後者が世に出る可能性は低いと思います。

つまり従来型では、商業性が無い音楽(インスト、歌もの以外)はほとんど取り扱ってもらえません。

アメリカでも、映画等に起用された場合メインメロディーが歌か楽器かで、2倍以上(3:10くらい)収入が違うといった風潮もある位ですから如何に隔たったシステムかというのもわかっていただけると思います。

インディペンデントアーティストの音楽は自費出版でお金はかかりません。(アルバムで、、4000円くらいですか??)


売れそうなアーティストを見つけるのが良いのか、本当に聞きたいと思うアーティストを見つけるのが良いのか・・

議論は耐えないと思いますが、僕は音楽はもっと自由であってほしいと願うタイプなので後者です。

(もちろん両方もってる場合もありますが、2年も経てばすたれる様な音楽もたくさんありますよね)


ただ、売れなくても良い音楽は良い音楽だし、そういうのを聞いた時に認識できて良い音楽をありがとう!と言っていただければ世の中にもっと良い音楽がたくさん生まれると思います。

皆様が暖かく見守ってくださるからこそ、僕らミュージシャンは良い音楽を作り続けられる。

もし、近所にがんばっている人がいて、すてきな気持ちになれたのなら、ぜひ声をかけてあげてください。

よろしくお願いします。

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SONARHYTHM Logic Pro School

Logic Pro アップル認定トレーナー

峯岸宇佐馬 Usama Minegishi

http://www.logicproschool.jp

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